彼との出会い②
最初に交わした言葉はなんだったのか、覚えていない。
なんだかちょっと気取った話し方だった印象がある。
とにかく、私の歌を褒めてくれるような言葉だったと思う。
イベントスタートの時間も迫っていて、初めの頃は彼とはあまり話せなかった。
イベントは順調に進み、彼が回す時間になりブースに立った。
どんな曲を流すんだろう?とちょっと興味があった。
20年前のクラブと言ったらかけるのはアナログのレコード。
CISCOと書かれた段ボール箱にたくさんのレコードを詰めてクラブに持ち運んだものだった。
ブースに立った彼が選曲したのは、90〜00年代のR&Bだった。
自分のモロ好みの選曲をする彼に、一気に興味が湧いた瞬間だった。
そして私の大好きなBig Punisher 「still not a player」を手に取った彼に、釘付けになった。
男女としてというより、仲良くなりたいと感じていた。
イベントは後半に入り自分の出番も終わり、音楽を楽しんでいると彼が近寄ってきて少し話をした。
そして最後に連絡先を交換したのだった。
帰り道、私の携帯にメールが来ていて
彼からだった。
なんと、私が嘘の連絡先を教えたんじゃないかと疑ってすぐにメールをしてきたのだった 笑
彼との出会い①
昔々。。。
もう20年くらい昔の話。
私はクラブ遊びが大好きだった。。。
その頃のクラブはナンパ目的でくる子も多かったけど、私はとにかく音楽が大好きだった。
特に90年代あたりのR&B。
音楽が好きで好きで毎週末色々なクラブに出向いては遊んでいた。
そして、人より少しだけ歌が出来た私はいつの間にかクラブでマイクを握るようになっていた。
クラブのショータイム。
フロアが熱気でムンムンになる頃始まる。
DJと一緒にステージに上がって爆音でかかる音楽と一緒に歌ってた。
もうその頃は本当にイケイケな時代で、髪はコーンロウにブレイズ。
服装はモロにB-girlって感じで(今の時代にB-girlってあるの?)
若い頃に良くある、自分は何にでもなれる!って感じられた時代だった。
あんな夜はもう来ないだろうな・・・。
そんな時、彼に出会った。
(その彼の名前をsmooth としよう.)
ある地方でのクラブイベントだった。
私はその頃たまに一緒に歌ってたラッパーと連れ立って参加していて、
彼はDJとして呼ばれていた。
スタート前のリハーサルを済ませてウロウロしているとsmoothに声をかけられたのが始まりだった。
思いとどまれる?
もうずっと何年も彼に会いたいと願ってる。
愛しい子供も、夫も持ちながらなんて酷い女なんだろう。
思い出したらキリがない彼とのこと。
あの時は本当に傷つけた。
彼もきっと新しいパートナーがいるだろう、結婚しているかもしれない。
だけど、このまま死んだら、きっと後悔する。
思いが叶わなくてもいい、
伝えたくて堪らない気持ちになる。
「あれからも、ずっと愛していたよ」と。
気持ちを伝えたいだけ、なんて綺麗事だ。
相手にとって迷惑かもしれないなんて重々承知だ。
だけど、人生で一回くらい、人の迷惑になったとしても良いじゃないか。
(私の場合、1回どころじゃない)
人生折り返し地点の私のただの恋愛話です。
夫が嫌いなのか
なんでこんな人と結婚したんだろう。
と思うようになってしまった。
あの時はあんなに大事で、素敵に思えたのに。
私の心の中にはもう何十年もの間、遠い昔の恋人が住み着いている。
何年経っても色褪せることがない。
一度だけで良いから、会いたい。